才能・夢に生きる人を描いたおすすめweb小説3選【カクヨム】
才能・夢に生きる人を描いたおすすめweb小説3選【カクヨム】
タイトルにある通り「才能・夢に生きる人を描いた(のだろうと私は解釈した)」作品を3つ紹介します。ジャンルはいずれも現代ドラマです。
以下、ネタバレ注意。
おすすめweb小説① 『とある音楽家の遺言』
【作品情報】
『とある音楽家の遺言』 作者 saw
【紹介文】
高校の管弦楽部に所属するヴァイオリンパートの俺と七海(なつみ)の話。
七海は天才だった、誰よりも――
感想
経済的理由という外部要因により、才能ある人が夢半ばにして頓挫するパターン。
Twitterでもつぶやきましたが、嫉妬の対象がいつまでも嫉妬の対象でいてくれることは、実のところ結構幸せなことだったりします。いつまでもかの憧れが目の届くところで光り輝いてくれているなどと思うな──みたいな。
ただ、件の作品においては才能ある側が「心底君達が憎い」と胸の内を言語化してくれているので。"俺"からすると苦い話なのだけれど、一歩引いて見ると互いに思い思われている分、"不幸中の幸い"を描いた話であるようにも思います。
おすすめweb小説② 『Line』
【作品情報】
『Line』 作者 辰井圭斗
【紹介文】
なし
感想
才能ある人が異性であるパターン。
こと「才能」を題材とした作品において、才能ある側が異性であるか同性であるかは結構重要だったりします。
たとえば──主人公が(異性愛者であること前提になるけど)男性として、嫉妬するその対象も男性であるとき、恐らくその感情はよりストレートで、しかし傍から見ると存外爽やかに映るのではないかと。一方、嫉妬の対象が異性──それでいて見目形が整っているとなると、これはまあこんがらがる。
この場合どちらがより気が楽かとか、そういう話ではないのです。方向性が違い過ぎるあまり、比較のしようがないので。
おすすめweb小説③ 『野に消えた線路』
【作品情報】
『野に消えた線路』 作者 濱口 佳和
【紹介文】
真夏の午後。誰もいない草叢を錆びた線路が続いている。
その光景を憶えていますか。
感想
上記2つが才能のある人とない人を主軸にしているのに対し、こちらは今なお夢にいきている人を描いたパターン。
「だから、夢を持たず流されるままの子供たちが歯痒かった」という一文がやはり好きで。
元より子どもたちは皆そういう気質であった──などと云えばそれまでなのですが、やはり「人は夢を追ってこそ」みたいな父の背中(当人に斯様な意図はなかっただろうが)が、かえって子どもたちを息苦しくさせてしまったのではないか、と。
夢を追う人が図らずももたらす"余波"を描いていて、凄い着眼点だなぁと思います。
おすすめweb小説+α 『黒ノ都』
【作品情報】
『黒の都』 11『Étoile』 作者 姫乃 只紫
【紹介文】
読解難易度:HARD
作者が十六歳の折にしたためた叫び。「02『Strawberries and Cream』」以降ほぼ残酷・暴力描写しかないため、苦手な方は読まないでください。
というか、上記リンク先が連載小説の一部なのでこれだけ読んでも甚だ微妙だと思います。が、一応概要だけ。
こちらは才能ある人がより適性のあるもの、情熱を注げるものを見つけてそちらに方向転換してしまうパターン。
わかりやすく云うと、たとえば貴女が中学時代バスケ部のA子さんだとして。当時絶対的エースで皆の羨望の的だったB美先輩が卒業。その後、先輩と同じ高校に入学して「またB美先輩とバスケができる! 先輩のプレーが見られる!」かと思いきや、「テニスめっちゃ楽しいんだけど⁈ A子もやらない?」って欠片の悪意もなく誘われるタイプ。せめて勧誘とかいう追い打ちやめろ。
別に統計をとったわけではありませんが、リアルだとこのパターンが一番多いのではないかと思います。諦めたのではなく、適性込みで吟味してこっちのルートの方が有意義じゃないかと判断した結果──みたいな。
ぶっちゃけ「夢半ばにして挫けた」というエピソードは共感を得やすいというか、開示の仕方によっては格好イイので。
自作語り不得手過ぎて何を云いたいのか自分でも皆目わからないのだけれど、"彼女"はただ小説好きで好きで仕方ないから書いていたわけじゃあなくて。
「将来の為、こんなものより時間を費やすべきことが他にある」と解っていながら、それでも書かずにはいられなかった──みたいな在り方が好きだよ、好きだったよとだけ。
『黒ノ都』については下記ブログ記事でも取り上げてくださいました。
感謝感激我爱你ですね。
まとめ:おすすめweb小説を読む前に
最後にお決まりの文言を張って締め括りたいと思います。
ではまた。
『年間1000作読む人が選ぶおすすめweb小説はこれだ【BL編】』で紹介されていた2作品を読んでみた
結論から申し上げると、BLだからという理由だけで毛嫌いしないでください。でないと人生損をする──は流石に云い過ぎにせよ、視野が狭いと人生楽しくなくなります。
- 『年間1000作読む人が選ぶおすすめweb小説はこれだ【BL編】』で紹介されていた2作品を読んでみた
- おすすめweb小説【BL編】①『何色』
- おすすめweb小説【BL編】②『私の後悔』
- おすすめweb小説【BL編】+α 『俺達ルームシェアしている友達と何が違うんですか』
- おすすめweb小説【BL編】+α 『群青マイルド&ビター』
- まとめ:おすすめweb小説を読む前に
『年間1000作読む人が選ぶおすすめweb小説はこれだ【BL編】』で紹介されていた2作品を読んでみた
下記ブログから辿り着いた2作品です。
『年間1000作読む人が選ぶおすすめweb小説はこれだ【BL編】』
【BL編】とあるように他記事ではBL以外の作品も取り上げられていますので、ご興味のある方はぜひに。
おすすめweb小説【BL編】①『何色』
【作品情報】
『何色』 作者 こやま ことり
【紹介文】
大学の先輩と後輩がピアスを開ける話。BL。
(連載版はじめました。<『何色』青葉とコーヨー>
固定CPハピエン厨によるハピエン。
BGM 『flos』R Sound Design
※第一回神ひな川小説大賞応募作品
テーマ:ハッピーエンド
※エンドロールBGM 『歓びの種 』YUKI
感想
冒頭から登場人物の名前を含め「色」に関する情報が乱れ打ちされるので、何やら水彩画めいた文体だなぁ──と漠と思いました。余談ですが「〇〇のせいで他の人にあだ名が本名だと思われている」というシチュ好きなのですよね。
殊更面白かったのは、名字の拝借や想い人へのピアッシングなど、事実男ってこういう妄想するのですよね(高校時代の私がそうだったから間違いない)。斯様な点において、BLながら男心を凄く捉えているかもしれない──そんな作品でした。
とはいえ、かく云う私がハピエン厨ではないので。
いくら「馬鹿ではない」とはいえ、先輩の察しの良さと後半の展開に若干もにょもにょしてしまいましたが、この辺りに関してはテーマがテーマですし──ハピエンBLのあるべき姿を見せつけられたという気もします。こと察しの良さに関しては、何やら親近感を覚えた部分もあり(自作やたらと察しの良い登場人物が多いので)。
おすすめweb小説【BL編】②『私の後悔』
【作品情報】
【紹介文】
刎頸の友、葵からの告白を断った私は、彼の息子に、それが過ちであったことを思い知らされる。
感想
云っても信じてもらえないでしょうが、読了後「私なら100%この一文をチョイスする」と意気込んで抜粋した一文がキャッチコピーでした。
この作品の凄いところは「葵の求愛を無下にしたその時、私の人生は全て無駄なものとなったのだ」という一文を「いや、そんなことないやろ」ではなく「そうだったかもなぁ」と。読み手に頷かせてしまうところにあると思います。
ところで、私は読者が人間味を挟む余地を与えたいという一因から登場人物の描写にそこまで情報量を割かないのだけれど、その点踏まえると微細な人物描写って件の作品に登場する秦葵のような付け入る隙を与えぬ陰性の美を表現するうえでうってつけの手法なのだなぁ──と改めて感じた次第。
そういえば、これまた読了後、紹介文に顛末が書かれていると気づきました。粋ですね。
おすすめweb小説【BL編】+α 『俺達ルームシェアしている友達と何が違うんですか』
【作品情報】
『俺達ルームシェアしている友達と何が違うんですか』 作者 辰井圭斗
【紹介文】
大学生深川淳は双極性障害(躁うつ病)とつきあって生きていくことになった。そんな折、深川淳は一つ先輩の浅見省吾と出会う。否応なく襲ってくる躁やうつ、そして希死念慮の中二人の距離は縮まったり縮まらなかったり……。
スパダリな先輩×病んでる詩人のライトでビターなBLストーリー。
感想
前述したブログで取り上げられていたわけではないのですが、というより前述したブログの運営者の作品なのですが(笑)
私の知る限り「もっともweb小説やってるweb小説」かもしれません。そのあたり過去記事でも取り上げていますので、ご興味のある方はそちらもどうぞ。
おすすめweb小説【BL編】+α 『群青マイルド&ビター』
【作品情報】
『群青マイルド&ビター』 作者 姫乃 只紫
【紹介文】
同性愛者の俺と面白いソックスを履いている妹とBLが好きかもしれないユズ(と王子様だったかもしれないひーちゃん)の話。つまるところこのチョコレートはリトマス試験紙。その心臓が不細工だと決め付けるヤツは誰だ。
読解難易度:EASY
ボーイズがラブしないBLを騙った何か(BOYのうち一人はもう一人のBOYを一方的にLOVEしてはいるが)。「この想いが君に届かなくてよかった」と云う答えを導き出すだけの話。
感想
ちゃっかり自作も宣伝しておきます。大体紹介文にある通り。BOYのうち一人がもう一人のBOYを一方的にLOVEしているお話です。感想──ではなく自作語りに興味のある方はこちらからどうぞ。
まとめ:おすすめweb小説を読む前に
最後にお決まりの文言を張って締め括りたいと思います。
ではまた。